診療放射線技師のブログ

診療放射線技師として病院勤務 ~休職の経験を添えて~

休職に至るまで① 私がまさか。

まさか自分がこうなるとは。



緊張と不安で眠れない夜、昼食が喉を通らない、毎朝の腹痛。

この程度なら耐えられた。

上司の怒鳴り声、舌打ち、書類を雑に投げられても
「新人だから怒られることはある」
「先輩はもう慣れている」

と前向きに捉えていた。




きっかけはある日目覚めた時の 感覚 だった。



心配性の私は、勤務開始時間の1時間半前には毎日職場についていた。

でも、その日は「絶対に起きられない」と身体が動かなかった。

遅刻する…でも起きられない。


悩んだ末、「生理休暇」で半日休みをもらった。



罪悪感を抱えながら、午後から出勤した。

いつもとは違う胃痛で普段通りに動けなかった。


翌日、同じような感覚だったが、さすがに2日連続はマズい…と思い出勤した。

腹痛でトイレにかけ込みながらも午前中を乗り切った。

しかし、問題は昼食の時だった。
お腹は空いているはずなのに食事が進まない。

短い休憩時間なので周りの人たちはバババっと食べ終わり、戻っていった。

急いで食べ終えると、また腹痛に襲われ、さらに吐いた。

しんどい!!!
と心の中で叫んで泣いた。





そしてその日の午後、自分の中では想像のしていなかった事が起こった。


オペ室での仕事を終えて部署へ戻ろうとしている時、

「止まれ!!!!!」
と後ろから言われ振り返った。

誰もいなかった。

その後も名前を呼ばれたり、所謂 幻聴が聞こえた。



信じられなかった。


「私、ヤバいのかも」 と思ったので仕事が終わってから近所のメンタルクリニックを探し、電話をかけた。

予約をとる際に「どうされましたか」と聞かれ、私は号泣してしまった。

受付の方は、優しく少しずつ質問をしてくれた。


緊張と、「これから私はどうなるんだ」と言う不安を抱えてクリニックへ向かった。





カウンセラーの方とのお話、
主治医の先生とのお話、
どちらも子供のように泣いてしまった。


その日、翌日からの休職の診断書が出た。



沢山泣いて疲弊しきったその夜は、逆にものすごく眠れた。



翌朝、診断書を提出しようかどうしようか迷いながら出勤した。

職場に近づくにつれて、意志が固まっていった。

放射線技師ってあれだよね?レントゲン撮る人でしょ?

放射線技師」というと殆どの人に
「あ~、レントゲン撮る人だよね。健診の時に撮ってるよ。ラクそうだよね(笑)」

と言われてきました。

言われ続けて100回目くらいの頃からは
「レントゲン撮る人だよね」と言われたら

「う~ん。私はCTやMRI、癌の治療やオペ室で撮影したりしてるよー!」
と答えるようしてきました。笑


高度急成期救急に携わる総合病院に技師として入職し、予想以上の忙しさとプレッシャーに押し潰されそうになりながら必死で働いていたので、
いくら相手が無知とは言え「ラクそう」と鼻で笑われると悔しい気持ちがあります。


放射線技師は撮影した画像を一番最初に目にする立場ということで、学生時代のころから「解剖は勿論、病変などは確実に理解しておくこと」と何度も何度も言われてきました。


実際、ベテラン先輩技師が医師と画像を見ながら あーだこーだ意見を交わす姿はとてもかっこよくて、技師としてのモチベーションも高まりました。


影技術だけではなく、画像から判断できる知識やそれに繋がる分野への理解、医師が読影するための画像処理、
また、医療従事者として他の職種の人たちとの連携、患者さんとのコミュニケーション、

全てが大切になってくる職種とも言えます。
勿論、医師や看護師、その他のコメディカルも同じです。



なので、「ラクそう」と言う認識から少しだけでもプラスのイメージに変わってくれたらなぁと思います!


また、4月から始まる窪田正孝さん主演の月9ドラマ 「ラジエーションハウス」もどんな反響があるのか楽しみです(  ̄▽ ̄)